-- 砂漠の薔薇 --

するとそれを見ました。視界にほのめく青。梁を漉して頭上から落ちかけるひかりの筋が数を増し、色に染まり、気づくとそれは青い宝石の色の滝となって聖所の闇を満たしつつありました。(中略)塵芥に埋もれ朽ちた十字架の突端をひそやかに照らし、草萌えの廃墟にあって冴えざえと我のみ青く、それは天上の青、いたって貴重な顔料である青金石(ラピスラズリ)の青でした。(山尾悠子『ラピスラズリ』)