-- 透明フローライト2 --

沈んだ月の行方すら掴めない紺碧の海底にある鉱石か、彗星の煌輝すら吸収してしまう深淵の宙を漂う拳ほどの流星か、群青とはそういうものからできるのだと考えていた。ところが実際には中大陸の奥深い山地に産するというのだ。垂氷は促されるまま灯影の後をついて行った。海の碧は山の鉱物で描き出すものなのか。(長野まゆみ『綺羅星波止場』)