-- バナジン鉛鉱2 --

「ああ、りんどうの花が咲いている。もうすっかり秋だねえ。」カムバネラが、窓の外を指して云いました。線路のへりになった短い芝草の中に、月長石ででも刻まれたような、すばらしい紫のりんどうの花が咲いていました。「ぼく、飛び下りて、あいつをとって、また飛び乗ってみせようか。」ジョバンニは胸を踊らせて云いました。(宮沢賢治『銀河鉄道の夜』)