-- バナジン鉛鉱 --

結晶が万華鏡のように紅玉(ルビイ)や黄石英(シトリン)、緑柱石(ヘリオドール)などの色に輝く。それは色硝子を嵌めこんだ薔薇窓のようでもあり、貝殻の中の真珠母のようでもある。結晶はさまざまな像をつくり、大を成し小をなし、凝縮し、ときには散らばって、ひとつの鉱物を形成するのである。それらの結晶が、微生物のように息づいて見えることもあった。(長野まゆみ『天体議会』)