-- 雪片黒曜石 --

彼はグラシン紙の包みをほどき、中から二、三の黒くて艶のある硝子質の石を取り出した。表面に雪の結晶か繊細な絹の襟飾りのような模様が見える。「雪片黒曜石ぢゃないか。」石は少年たちの好む原石ではなく研磨してあったが、質感は損ねておらず、雪の結晶に似た美しい渦状の模様は、磨かなければ現れないものだ。(長野まゆみ『天体議会』)