-- テレビ石(曹灰石) --

石綿の上には卓球の球ほどの紅玉色の塊がのせてあった。見たところ鉱石か何かのようだ。烟のように立ち昇っているのは淡い紅色をした焔で、音もなくゆらゆらと揺れている。薄絹をまとったように紅玉色の石のまわりを囲んでいた。石の温度は相当に高そうで、時々はぜるようにぱッっと煌いて、また静まる。ちょうどストーブの中のコオクスが紅く燃えあがるようだ。(長野まゆみ『野ばら』)