11月4日

どうにもこうにも、日記が書けない今日この頃。調子が悪いなぁ。メールも全然書けないし、いろんな意味でダメダメ。先日のスケアメの感想も書き終わらないうちにスケカナが始まってしまったし。すべてにおいて出遅れているのを感じます。先日は歌舞伎、今日は研究会、明日はプライブ。ってこう書くと遊びの方が多いですが、自分にできる範囲でコツコツやってます。落ち込んでばかりもいられないし、がんばろっと。


11月6日

スケカナ終了。男子は、大自爆大会でございました。。1位ステファン・ランビエール、2位高橋大輔、3位ジョニー・ウィアーというのは順位からすればさほど波乱ではないわけですが、問題は中身なわけで…。現世界チャンピオンのステファンはSPで大自爆をしてなんと7位、FSを第一グループで滑るという異例の事態に。高橋君はSPで首位に立ったものの、FSではすっぽ抜けそして転倒等々と相変わらずな悪い癖が出てしまったよう。後半がジャンプのオンパレードななか、これだけジャンプの失敗が続くと痛いなと思います。あとキャンベル同様トリプルウープの入りで転倒していたのが気になりますね…。いいものを持っている人ではありますが、彼の崩れる典型的なパターンがここでも披露されてしまったのが残念です。この内容で2位というのは、どれだけ自爆大会だったのかということを象徴しているみたいにも思えます。そしてジョニー。最終滑走で、ステファンと高橋君の内容がアレだっただけに誰もがジョニー優勝だろうと思っていたのに…。転倒こそなかったものの、シングルそしてダブルのオンパレードに呆然。スピンも一体どうしてしまったの?明らかに体を絞っていましたが、それがスタミナ切れの原因になっているなら心配。とにもかくにもなんかもーいろんな意味で男子はすごい大会だったわけで、結果を知りつつも演技を見ていて凹みました。毎年スケカナは鬼門だ…。

そんな感じで男子シングルは盛大な自爆でしたが、アイスダンスで私の応援しているテッサ&スコットが2位に食い込んでこれがとてもうれしかったです。ホームというアドバンテージがあったとはいえ、シニアデビューで2位は素晴らしい。まだODしか見ていないけれど、キャンベルの時とマイナーチェンジしていて違いを見比べるのが面白かったです。途中で何度も足を絡めているのがエロくていいわ。まだ技術先行でタンゴとしてはやや弱いのかもしれませんけど、これから伸び盛りであろう若手がこれだけの技術を持っているとうのは本当に頼もしい。次のフランス大会での演技も楽しみです。そして早くFDを見たいな…とここまで書いてからオフィに飛んだらもう動画がアップされてました。早っ。そしてありがたい。


11月7日

Plastic Treeの秋ツアー「蒸涙反応SOS」(このタイトル、私はダメだ…)初日に出かけてきました。うっかり身支度しながらスケカナ男子のフリーを見てしまい激テンション下がりの状態で出かけたのですが(苦笑)、初日特有のグダグダ感もなくすごく楽しめました。いいライヴだったなー。『シャンデリア』からの曲も思ったよりは少なく、久しぶりに固定セトリから解放されたというのが一番うれしかったことです。最近はずっとライヴに対して不満を言っていて、こうやって心から「楽しい!」と思えたのは、思い返してみると去年の赤い眼のミッフィーツアー以来だということに気付きました。約1年半ぶりということか、結構長かった…。ミッフィーのようにテーマが明確に見えているツアーではないのだけれど(その時はサーカスがモチーフになっていて、最終公演では開演前にピエロが芸を披露するという演出つきでとてもよかった)、いいツアーになりそうです。忙しくて、次に行けるのがファイナルのみというのが残念です。

セトリ
01.イロゴト 02.内臓マイク 03.本日は晴天なり 04.センチメントマシーン 05.クローゼットチャイルド 06.37℃ 07.cage for rent 08.ロケット 09.サンデー 10.puppet talk 11.ピカソごっこ 12.メランコリック 13.冬の海は遊泳禁止で
EN1 14.バリア 15.ヘイト・レッド、ディップ・イット
EN2 16.讃美歌 17.アブストラクトマイライフ 18.Ghost

ライヴ全体に対する、ごくごく簡単なコメントを。最初の曲が読めなくてなんだろうなーと思いつつステージを見ていたのだけど、出てきた太朗さんにスタッフがギターを手渡したのを見て「あ、ギターを使う曲だ。いつもと少し違うスタートになりそう」と思ったら「イロゴト」だった。イロゴトは好きだし、久しぶりだからうれしかった。歌詞は色事、つまりは性愛のことを歌っているわけだけど、ちっともいやらしい感じはなくて、むしろ痛々しいまでの純粋さで。込められている感情がきれいなんですよね。最初に聴いた時はびっくりしたけど、今では大好きな曲。太朗さんの声もよく出ていて、とてもいいスタートだった。

そして「内臓マイク」。『シャンデリア』の中でフェイバリットな曲。ツアータイトルも、この曲の歌詞からの引用だ。歌詞は言葉遊びが多用されていて、おもしろいとは思うもののちっとも感情移入しない。それなのにこの曲がお気に入りというのは、珍しいというかすごいというか。プラの曲が好きなのって、絶対歌詞が大きい部分があるはずだから(そういう意味では私はやっぱり太朗さんの言葉が一番好き)。メロディーとかリズムがいいし、ライヴで聞いても盛り上がる。勢いづけてくれる曲なので、アルバムの曲順同様2曲目というポジションがぴったりだと感じた。

これまたやや久しぶりの「本日は晴天なり」、そして『シャンデリア』の曲「センチメントマシーン」と曲が続く。そろそろ一回目のMCかなと思っていたが、まだまだ演奏は続く模様。太朗さんがマイクを握って言った言葉は「隠れている子、出ておいで!」。この前降りに、場内はどよめく。この前降りが来るということは、次の曲はクローゼットチャイルドだ。何度か聴いたことはあるがどちらかというとレアな曲だし、ましてやこんなしょっぱなから繰り出してくるのは珍しい。というわけで、曲の最中はテンションが上がりっぱなし。ベーススキーにとって、曲の途中の変態チックなベースフレーズがたまらない。一曲目からかなりよい感触を掴んでいたけれど、ここまできて「今日のライヴは絶対よいものになる!」と確信を抱いた。

MCはとりあえず省略。そのうちプラサイトの方にレポをアップすることがあればその時に書き足すかも。『シャンデリア』からの曲「37℃」「cage for rent」が続く。……うーん、この2曲はどうも好きになれないや。最初にアルバムで聴いた時はまぁまぁ気に入っていたように思うけど、すぐに飽きてしまった。あとライヴで聴いてもあまりピンとこなくて。どちらの曲も、自分の耳が「これはいいな」と思って拾う音がシーケンスのものだからテンションが上がらないのかな。今までライヴで3回聴いているけど、自分的には評価が上がらない曲だなー。

続いて「ロケット」。これはうれしい!以前聴いたのは2004年の夏ツアー「東遊び」だから、随分久しぶりな曲。ロケットという曲には、私は相反する二つの要素を感じる。宇宙へ飛び出していくようなそんなスケールの大きさと、と同時に箱庭的な矮小な感覚と。描かれている風景は壮大なのに、それがどこかまがいものめいたものに見えてしまうのはPVの影響なのか。力強くはない、はかなくおもちゃのようなロケット。ああ、懐かしいな。この曲を聴きながら、どうしようもなく懐かしくなった。どうしてこんなに懐かしかったのだろう。曲が懐かしかったのか、それともPlastic Treeが大好きな自分が戻ってきたのが懐かしかったのか。演奏後、竜「ロケットは久しぶり」「いい曲じゃね?」、正「ロケットってシングルだったんだよ。すげーだろ」とメンバーが自画自賛しているのが印象的だった。最初に聴いた時は正直に言って「小粒な曲だな」と思っていたのだけど、ほんといい曲です。音源で聴くより、ライヴがいいな。

次もやや久しぶりな曲で、「サンデー」。サンデーは文句なしに好きな曲だからうれしい。今日の演奏はそこまでよかったわけではない気がするけれど、この曲が聴けたというだけで私は満足。うれしくなったので、普段は滅多にやらないフリもやりつつ曲に聴き入っていた。「世界が終わる日が休日ならいいな」に続くサビの歌詞がとても好き。淋しくて、おだやかな、あたたかい曲。すーっと透明な景色が流れるんですよね。今日のセトリは、本当に好みだ。

そして「puppet talk」。盛り上がりますねー。好きなんだけど、重いリズムとグルーヴ感が好みな私には、ちょっとこの曲は軽いんだよなぁ。音も、リズムも。そこがこの曲の持ち味なのはわかっているけど、もっと体にガンガン響いてくる低音が欲しいよーと思ってしまうのが悲しい。だから私は正さん(ベーシスト)の作る曲が好きなんだろうな。。でも太朗さんの暴れっぷり、そして正さんやアキラさんもヘドバンしまくりで弾いていて、楽しかったです。この曲で後半の怒濤の流れに突入なんだろうなと思ったのですが、その期待はこのあとやや裏切られることに。続いて「ピカソごっこ」。今日は『シロクロニクル』からの曲が多いなぁ。久しぶりなので、楽しく暴れる。次は「メランコリック」。いや、盛り上がるけど、この曲確かに盛り上がるけどさ、……でももう飽きた!この日は最近固定化されていたセトリからようやく解放されたという意味でとってもよかったのだけど、削られた他の曲よりもこの曲をセトリから落とすべきだったのではないかと思います。普通に好きな曲なんだけど、明らかにもう惰性化している。イントロが聴こえてくると「またか」とどこかうんざりしてしまうのが、もったいなさ過ぎる。

「冬の海は遊泳禁止で」。本編はラストまで飛ばしていくのかと思ったら、この曲が演奏されたので少し驚く。これも大好きな曲なんですよねー。でも今年2月にあったファンクラブのイベで聴いたから、少なくとも私はあまり久しぶりではないな。好きな曲だから、聴けるのはもちろんうれしいけど。最近はプラも所謂ラブソングが増えてきたけれど、私が最も好きなのは「イロゴト」や「冬の海は」のような曲。なのでどちらも聴けた今日のセトリは、かなりおいしかった。「冬の海〜」は甘くて苦い。聞き惚れていたけど、Bメロのピッチが不安定でそれが気になる。なんであんなに音程はずしていたんだろう。丁寧な風景描写、きれいな感情、爆発するサビ。秀逸な曲です。淡々としているようで途中で狂気じみたり、一つの物語のように描かれている景色がきれいだったり、「こんなにも大好きでー」と叫んでいたりします。

というわけで「冬の海〜」自体はよかったのだけど、演奏が終わるとメンバーが帰っていったので、「え、今ので本編終わり?」みたいな微妙な空気が会場に流れる。すぐに「アンコール!」の声が出なかったのも、皆とまどっていたからだと思う。決して曲数が少なかったわけではないけれど、暴れ曲が少なかったというのもあるし、本編ラストが「冬の海〜」というのがアンコール的だったというか。ようやくアンコールの声が出て、ややしてからメンバーが出てきたけど衣装が全くおんなじだったから一瞬「これは第二部の始まりですか?」と思ったり。結局普通にアンコールだったわけだけど。

アンコール1曲目は「バリア」。ああ、今の気分にぴったりな曲だ。イントロの空間を切り裂くアキラのギター音が好き。「はっていたバリア」ってまさに今の私にぴったりだよなーと半分自嘲ぎみな気分で聴く。会場が盛り上がっているけれど、すごくテンションが高まったけれど、完全に自閉して自分の世界に閉じこもって聴いていた気がする。共有したくない。今ここでバリアをはりめぐらす。でも「ねぇ、さわってー!」と叫んで手を伸ばしている太朗さんの姿を見た時は、一瞬気持ちが揺らいだけれど。バリア、いいな。痛い気分になりたい時にぴったり。

竜「そろそろ初めてお世話になる横浜BLITZを壊しますか」。そして始まったのが、「ヘイト・レッド、ドロップ・イット」。開演前に天井に風船がぶら下がっているのが見えて(イクラっぽかった・笑)「これ使うんだろうけどどの曲だろう。クリーム?」と思っていたのだが、予想は外れてこの曲だった。イントロのフレーズを何度もリピートしてたっぷり溜めた後、曲に突入。そして、会場に舞い降りてきた、大量の真っ赤な風船。前回は花魁姿で暴れていたけど、今度は風船ですか。ヘイト・イット〜はものすごく格好いい曲なのに、最近はイロモノ担当か?と思うほど面白い演出つきで演奏されてますね(笑)。後ろから眺めると、真っ赤なライトで照らされた観客の中に風船が入り乱れていて、気狂いパーティーのようで壮観だった。今回の演出は賛否両論がありそうだけど、私は楽しかったです。ただ客席で風船がぽんぽん跳ねているからステージが全然見えなかったし、もう一度味わいたい演出ではないけれど。これは一回限りでいいな。

この風船を処理しない限りライヴは続行できないだろうからこの曲でアンコール1は終わりだろうなという予想通り、演奏終了後メンバーは帰っていった。いつもよりアンコールの声が小さかったのは、会場が風船割り大会と化していたからか。再びステージに登場した4人は、今度は黒いツアーTに着替えていた。ニューシングルや年末ライヴの宣伝をした後、演奏へ。竜「年末にかけてしあわせに楽しくなれるといいな。しあわせな歌、讃美歌」。というわけで曲は「讃美歌」。銀テープがパーンと飛び、会場が沸く。光を浴びた銀テープがきらめいて、とてもきれいだった。「讃美歌」は、私にとって大切な曲。お守りのように、ずっとずっと側にあった曲。『シャンデリア』に収録されているシングル曲は大半がカットされたセトリの中で(最新シングルであるナミダドロップくらいはやるかと思っていたのに意外。まぁこのへんのシングルは散々聞き飽きていたから、セトリからはずれても個人的にはダメージはなかったけど予想外ではあった)、讃美歌がちゃんと演奏されたのはうれしい。

讃美歌終了後、間髪入れずにシンバルの刻みが始まる。この音でもしや…と思ったけど、まだ確信は持てない。でも、でも、やっぱりこれは…。というわけで、曲はなんと「アブストラクトマイライフ」。う、うれしいっ…。プラのライヴに通い始めて3年目、ようやくこの曲を聴くことができました。どんよりとした音と空間が出現する。太朗さんがぐるぐると、ステージの上を歩き回る。太朗さんが「横浜!まだまだ遊べるか!」と会場を煽る。「アブストラクトマイライフ」はインディーズ時代に出した初めての音源にも収録されている、とても古い曲だ(その時は「変化」というタイトルで今とは違う)。今からもう10年以上も前に作られた、Plastic Tree最初期の曲。この曲が聴けたことがうれしくて、実は演奏のことが頭から吹っ飛んでいる。でもメンバーも観客もテンションが高かったということだけは薄ぼんやりと覚えているような。楽しかったー。

そして「Ghost」。この曲は最初から最後まで頭振りっぱなしだった。ああ、ヘドバン楽しいっ(笑)。おかしくなりそうなほど頭を振って、すっきりしたなー。イントロの手拍子は苦手だなとかブレイクの時間が長過ぎる&ライトアップは演出を変えてほしいとか思うことはあるけれど、Ghostは文句なしにかっこいい曲です。結局Ghostがラストで、締めの定番中の定番サイコガーデンをやりませんでした。やらなかったこと自体は構わない。毎度毎度これがラストというのも、正直飽きていたし。でも今日のセトリは自分的にヘドバン曲が少なくて(私が頭を振るのは「Ghost」「サイコガーデン」「怪物くん」「ダンスマカブラ」あたりなので)、もう一曲くらい頭振りたかったからあってもよかったなぁとちらりと思ったり。うーん、もっと頭振る曲増やした方がいいかしら。puppet talkとか?でもあの曲、私にとってはヘドバンじゃなくて縦揺れの曲なんだよなー。リズム早いしな。

さっくりレポをしようと思ったけど、思いのほか長くなってしまいました。MCは一通り覚えているけれど、書き出すと長くなるのでとりあえず曲のことと簡単な雑感まで。このライヴで何よりうれしかったのは、長らく続いていた固定セトリの呪縛から解き放たれたこと、これに尽きます。他にもいい曲いっぱいいっぱいあるんだから、セトリはこれからもシャッフルしてほしいです。浮気しまくっているけれど、やっぱりプラはホームなんだよなぁと思う。あの空間。あの音楽。あのメンバー。プライヴに行く時はバンギャ的なファッションとアイデンティティーを自覚する。そういうの全部ひっくるめて、プラなんですよね。これからも他の音楽に浮気しまくるだろうけど、いつまでもプラがホームであり続けたらいいなと思うのです。さ、次はファイナルだ。修論あるけど、年末公演も行くよー。


11月8日

スカケナのアイスダンスで2位だったテッサ・ヴァーチュー&スコット・モイアのFDの演技を見ました。FDは初めて見たのだけど、予想以上に素敵なプログラムで息を飲んでモニタを見つめてしまった。このプログラム、とってもとっても好み。曲は「悲しいワルツ」、静かで叙情的で非常に美しい。ただその分アップテンポの曲に比べて、曲そのものが盛り上げてくれるわけではない。そういう意味では難しいものに挑戦したと思うが、彼らの今の雰囲気にあった、非常に魅力的な作品に仕上がっている。清楚で可憐で、最後の二人で寄り添ってそっと見つめ合うまで、ガラスのように繊細できれい。ストーリーは何も知らず「すごくきれいだけど何やら悲劇的だなぁ」と思っていたのだけれど、どうやらテッサが死んでしまい、それを看取る恋人役をスコットが演じているらしい。生と死まではわからなかったけれど、儚いムードに満ちたこの演技は、本当にロマンチックです。ロマンチックだけどほの暗いというのが、なお一層私好み。まるで一粒の結晶のように美しくて、このまま永遠に閉じ込めておきたくなる。いまだ10代である彼らは若く、技術的に同年代の中ではずば抜けていても、大人のカップルが醸し出す成熟した雰囲気にはやはり及ばない。しかしこのプログラムは、逆にその汚れていない清純な雰囲気の二人があるからこそ、より心に響く作品に仕上がっていると思う。清らかであるからこそ、優雅でかつ冷たい世界が引き立つのだ。夢幻的で滑るように氷の上を舞う二人の姿は(実際解説者に「雲の上を滑っているようだ」と絶賛されている)、シニアに劣らぬ技術力と雰囲気で鮮烈な印象を人々に刻んだことと思います。年齢に見合った若く溌剌した演技とは決別し、彼らはもうその先まで進んでいることを示している、素晴らしいシニアデビューでした。

演技の中にはテッサの体の柔らかさをいかした技が随所に取り入れられています。最初の方の足を氷の上で180度開脚して回転しながら滑るところ、リフトの変形で体をスコットに巻きつけてくるくる回転するシーン、体を伸ばして背中で優雅な弧を描くシーンetc…。実のところ私はこのカップルは踊れるスコットありきだからこそ成り立っていると思っていたのですが、テッサがすごくいい感じに成長していて、認識を改めました。テッサは演技の幅が広くなって、本当に素晴らしく成長しています。スコットも今までは無表情で演じていることが多かったけれど、今は少しずつ表情を作ることを覚え、実践しようとしているように見える。こんなことを言うのはどうかと思うのだけれど、同じシュピルバンド門下ということもありベルアゴ化するのかな、でも私あのカップルはあまり好みではないし芸風が狭いのも欠点だからあまり手本にしてほしくないなぁと内心思っていました。去年はテッサの雰囲気がベルビン化しているようで、それが少し不安でした。でもFDを見て彼らは彼らの持ち味をいかして独自の世界を作り上げていて、安心しました。

このプログラムは衣装もとてもいいと思います。特にテッサのドレスは形も色も好み。画面だと色がよくわからないのだけれど、色はヘリオトロープなのだろうか、なんとも儚くきれいなドレス。この色だと赤髪よりテッサの地毛の色の方が私は似合うと思うんだけどな。なんで今期は髪を染めたんだろう。スコットはちょっと地味な気がするけど、二人並んだ姿はとても清楚だしこれはこれでありかも。飾り気のない服が、彼のスマートさを引き立てています。スコットはODの時よりこの時の髪型の方が断然好みです。いや、オールバックが嫌なわけじゃないけど、「僕がんばってオトナの男を演じます」的な雰囲気が笑えるというかなんというか(笑)。逆に「かわいいなー」って思っちゃうのですよね。テッサが17歳ながら体型も顔も完全に大人の女性になっているのに、19歳で年上のスコットの方が童顔で幼く見えちゃうから、見た目のバランス等も考えて背伸びしなきゃいけないのはわかるんですけどね。

アイスダンスはフィギュアスケートの中でも一番色気が求められる競技だと思うけど、実のところ私は色気を求めているかというとそうでもない。「バチーン☆あは〜ん☆」みたいな感じでやられると萎えるというか。要するに、わかりやすい色気は嫌なんです。むしろ色気を超越しちゃったような、荘厳な演技の方が好きだし。トービル&ディーンの「ボレロ」とか、グリシュク&プラトフの「メモリアル」とか、こういう演技に惹かれる。だからアイスダンスの好みが偏っているのかなーと思う。もう少し、他のものも受け入れられるように私もなりたいとは思っているのだけれど。

読み直してみたけれど、絶賛ですね、私。でもそれほど気に入っているプログラムです。この日の演技もパーフェクトというわけではないし、後半は明らかにスピードが落ちていた。これから滑り込んでますます磨き上げられることでしょう。次にこのプログラムを見る機会が、本当に楽しみです。


11月10日

また風邪ひいた…。もう、嫌。。肉体的というよりは精神的な問題なのかなぁ。最近ずっと体調が悪いや。すっかり弱っていて日記どころではないので、取り急ぎ簡単に。「『義経千本桜』の海老蔵がすごくいい、絶対見ておいた方がいい」と友達に絶賛され、結局16日の夜の部へ行くことにしました。楽しみだけど、予定がきつっ…。でもでも、やっぱりすごく楽しみ。海老蔵の宙乗りが見れるんですね、うふふ。書籍部にて若桑みどり『イメージを読む』(ちくま学芸文庫)と『フーコー・コレクション フーコー・ガイドブック』(ちくま学芸文庫)を購入。上野の骨董市を覗いたけれど、今回は掘り出し物は見つけられず。Jane Marpleの冬物の入荷が遅れているっぽいですね。現在引き取り済みになっているはずのものがまだ連絡が来ていないので、ちょっと憂鬱。早く入荷してくれないかな。このどうしようもない気分を、物欲で紛らわしたいわ。ここ数日は、そんなところです。


11月14日

消えた女流作家の足跡を求めて、海辺の町へ出かけた。駅に降り立つと、ずっと憧れていた地名の文字が目に入る。細い通りを歩いていると、一軒の古本屋が目についた。中に足を踏み入れると、懐かしい書物の匂い。文庫の棚を眺め、戸板康二『すばらしいセリフ』(ちくま文庫)、吉屋信子『自伝的女流文壇史』(中公文庫)、河合栄治郎編『読書と人生』(現代教養文庫)を購入した。会計の時、店主に作家の名を告げたところ、さすがにご存知だった。何度か尋ねられたことがあるという。当然ながら、店舗にはかの女の著作は一つもなかった。消えた作家、今ではもう忘れられた作家。

予想以上に多数の方に集まっていただき、貴重なお話をたくさん伺うことができた。方法論の問題もあり、実際論文に盛り込める内容はわずかだろう。しかしながらここで得たものは、さまざまなディテールは、いつかまた別の形で文章化できればと思っている。日が沈んだ後に帰宅し、潮風に吹かれベタつきからまった髪を指で梳きつつお礼状を書いた。


11月15日

Plastic Treeの年末公演「冬小屋エレキテル」のFC優先チケにエントリーした。ライヴは12月26日。「そんな時期にライヴ行くなんて正気か!」と罵られつつもエントリーしているわたくし。。ハコじゃなくてホールだから楽だし、暴れる予定もないし、最悪切羽詰まっていたら行かないし。と口で言いつつも、何が何でも行くんだろうなぁと内心思ったり。会場は渋谷C.C.Lemonホールこと旧渋谷公会堂。まさか渋公がこんな名前になってしまうとは…。渋公は好きなホールなので、ここで開催されてうれしいです。去年は渋公が修理中で、ここでできなかったのよね。そのかわりに代々木第二体育館でやったわけですが、あれは今思い出してみても「…………」なライヴでしたな。

寝起きにメールをチェックしていたところ、e+からこんなお知らせが届いて眠気が吹っ飛んだ。

「天野天街脚本・演出の糸あやつり人形芝居『平太郎化物日記』急遽先行受付決定!

少年王者舘の天野天街の脚本・演出による、ITOプロジェクト糸あやつり人形芝居『平太郎化物日記』が、来年2月、下北沢ザ・スズナリにて上演されることになりました。『平太郎化物日記』は、2004年夏に大阪・名古屋・広島のみで初演がおこなわれ、大きな反響を呼んだ人形劇ですが、幾多の困難を乗り越え、このほどようやく待望の東京公演実現のはこびとなりました。江戸時代中期に実際に起きた怪奇騒動の記録として名高い『稲生物怪録』をベースに作られた本作、めくるめく天野天街マジックはここでも激しく炸裂。彼の無茶過ぎる演出的要求を、ITOプロジェクト(関西在住の糸あやつり人形師たちによるユニット)が真摯に受けとめた結果、糸あやつり人形芝居の限界を超えた超絶的場面の連続する驚異の舞台が出来上がりました。観る者は、あまりの凄さと美しさに、眩暈と衝撃をおぼえることでしょう。そして、これは人形劇史上の、いや、演劇史上の革命的な作品として語り継がれることになるでしょう。そんな『平太郎化物日記』ですが、諸事情により、上演はわずか3ステージのみ。チケット早期完売の可能性も否めません。そこで、このメールをご覧の皆さまを対象に、チケット一般発売日の11/17(金)に先立ち、先行予約受付(先着順)を、11/15(水)12:00より11/16(木)18:00までの間、緊急実施させていただきます。便利な整理番号付自由席のチケットを確保できますので、ぜひこの機会をお見逃しなくご利用ください。
●ITOプロジェクト 糸あやつり人形芝居『平太郎化物日記』
●脚本・演出・美術:天野天街
 出演:ITOプロジェクト ナレーション:知久寿焼
●会場:下北沢 ザ・スズナリ
●2007/2/3(土)14:00(開場13:30)
 2007/2/3(土)19:00(開場18:30)
 2007/2/4(日)16:00(開場15:30)
 ※各回終演後、アフタートーク開催。
●整理番号付き自由席:4,000円(税込) 」

なななな、なんだこれは。天野天街、稲生物怪録、知久寿焼、あやつり人形…。これはもちろん、行くでしょう。と先行予約に申し込もうとしたところでハタと気付く。2月3日4日って口頭試問の日だ。。どうしよう。どちらの日になるかは、直前までわからないだろう。でも万一チケが売り切れたら嫌だし、せめて一般発売の日には手に入れておきたい。一体どの日にエントリーしたらいいのやら。一番行けそうな日は4日なのかなと思うのだけれど、まだわからない。さてさて、どうするか。ダメもとで4日にエントリーするか、それとも直前まで粘るか。

あやつり人形繋がりで人形、ドールについて。明日は目白台にあるオルゴールの小さな博物館へ、オートマタ展を見に行きます。そして夜は歌舞伎。楽しい一日になりそうです。

 

 

 

 

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