10月3日

街中に金木犀の香りが溢れている。今年もまた、リデルの季節がやってきた。濃く甘い花の香りは、窓を開けている私の部屋の中にも流れ込んでくる。

ヴィム・ヴェンダースの『ベルリン・天使の詩』のDVDをようやく購入。大好きな映画なのに、DVDを買いそびれていた。これでようやく、好きな時に好きなシーンが見放題だ。勢いあまって中古でサウンドトラックのCDも注文してしまった。音楽ばかりでなく、映画の中で非常に印象的に用いられているペーター・ハントケの詩の朗読も入っているとのことで楽しみ。

大好きな映画といえば、今度キェシロフスキ監督の『ふたりのベロニカ』がDVD化される。ずっとずっと、この時を待っていた。発売日は11月25日。『ふたりのベロニカ』のサントラは、実は持っている。ビデオで見てすぐさま気に入って、輸入版のアルバムを購入した。今ではもうこのサントラも廃盤だろうか。映画のサントラはすぐ廃盤になるうえに通常のCDより探しにくいので、好きなものはなるべく早めに買うように心がけている。手元にビデオがないのでときたまサントラをかけて映画のことを思い出していたのだが、そんな代替行為ももう終わりだ。DVD化、うれしいな。


10月4日

当分、肝心なことには何一つ触れない日記になることでしょう。

APOGEEのアルバム情報を発見。発売日は11月22日。まだタイトルは発表されていないけど、このニュースを知って一人興奮する私。ようやくファーストアルバムだ。アルバムが一枚発売されたらワンマンもやれるかな?今のところ対盤イベばかりで、今まで見たことがないバンドを知るきっかけになるから対盤も結構好きなのだけど、そればかりだとやはりつらい。10月以降APOGEEもいろいろライヴをやるのだけど、時期が時期だし対盤なので全部見送る予定の私。10月中はニューシングルを心の支えに耐えます。


10月5日

山田登世子『ブランドの条件』(岩波新書)を読了。服のことに少し深入りすると、どうしても気になってくるのが「ブランド」という存在。忙しいので内容まで突っ込んで紹介できないけれど、面白い本でした。今の私は消費者である自分の行動や意識を客観視して分析したいのかもね。他にもブランド関係の本を読んでみるつもりです。余談ながら、新書の奥付を見ていたら経歴と著作の下にさりげなく「好きなブランドはコムデギャルソン。香水とバッグはシャネルも」と書き添えてあってこれがなんかウケた。山田登世子さんといえば、大昔に某所(今はなき新宿の文壇バー)で一度お会いしたことがあります。黒のシックで素敵なドレスをお召しになられていました。私が二十歳頃の、懐かしい思い出ですわ。


10月8日

NODA・MAPの公演「ロープ」のプレオーダーの案内が来た。どうしようかな、申し込もうかな…。前回の公演「オイル」は私にとってはイマイチだったのでそれがネックになっているのだが、それでもやはりもう少し野田秀樹は見ておきたいという気持ちはある。はずれる可能性もあるし、一応申し込むだけ申し込んでみるか。

最近忙しすぎてフィギュア関係のことが全く追いきれていないのだが、いよいよキャンベルカップが近づいてきた。キャンベルというのはアメリカで開催されるお遊び大会。日本からは安藤さんと浅田姉妹、男子は高橋・織田・中庭選手が参加する。正式な競技会ではないが、ここで新しいプログラムが披露されるのでフィギュアヲタの関心は高い。女子は、やっぱり真央ちゃんに注目です。SPのコリオグラファーはモロゾフと最初は発表されていたのに、結局前シーズンと変わらずSP・FSともにローリー振付になったので多少がっかり。真央ちゃんの演技は「子供のお遊戯」と言われることがあるし、実際去年の「カルメン」「くるみ割り」の演技ではそう言われても全く仕方ないとは思うが、彼女は本来はものすごく表現力のある選手だった。表現力という点では、ジュニアの頃の方がずっとよかった。私は去年のプログラムを評価していないし、その振付がローリーだったからSPだけでもモロゾフに変わるのはすごくいいことだったと思っていたのだけど、ダメだったんだなぁ…。でもシニア2年目の今年は去年とはまた違ったプログラムにしてくれることに期待しています。舞ちゃんは6日づけで芸能活動を引退しスケートに専念することを発表しました。出来過ぎな妹がいるため比べられがちだけど、彼女もとても潜在能力の高い選手です。妹の大活躍と自身のスランプもあり芸能活動もしてみたけれど、スケート一本に専念してくれるのはファンとしてはうれしいです。舞ちゃんはSPがモロゾフ、FSはローリーの振付。特にモロゾフのプロをどう滑りこなすのかが楽しみです。安藤さんは昨シーズンは地獄を見たでしょうから、どう立て直してくるかに注目しています。能力はある選手だけど、最近は本番に弱いのがネックかな、と。そういう意味ではお遊び大会であるキャンベルでは活躍してくれるかもしれません。

男子はやっぱり織田君が好きだし織田君の演技が楽しみ。高橋選手はFSが「オペラ座の怪人」なんですよね。先日四季の「オペラ座の怪人」を見て映画も見て今更ながらオペラ座にはまった私としては(遅すぎだってば)プログラムの出来がとても気になります。オペラ座はたぶん彼の個性にはまるんじゃないかな。こちらも楽しみです。中庭さんは、ただもうひたすらいい演技を見せてほしいな、と。彼は全日本の表彰台に立ったけれどGPSに派遣されないとなかなか苦労していましたが(チャンスを自分で潰していたところはありましたが、それでも端から見ていてちょっと不遇だなと思った)、今年はキャンベルも出るし、中国杯も結局エントリーされたし、なんとか国際試合で成績を残してほしいものです。彼は3Aは苦手ですが、クワドは決めます。本田選手が引退してしまい、高橋選手も昨シーズンは一度もクワドを決められなかった中で、中庭選手は日本男子の中で唯一クワドジャンパーと言ってもよいのではないかと思います。キャンベルでもクワドに期待です。

あと気になるのはカナダの若手アイスダンスのテッサ&モエ組の演技かな…。私はこの二人をとても応援しているのです。今年からいよいよシニア参戦の若手カップルです。でもカナダだし、アイスダンスだし、日本ではきっと放送はされないだろうな。実は今年のキャンベルが地上波で放映されるのですが、このことにはとても驚きました。だってキャンベルってアメリカ中心のお遊び大会なのに…。今まで全く注目されなかったのに…。キャンベルが地上波で見れるなんて、本当に時代が変わったんだなぁと思いました。これも荒川効果なのか、真央効果なのか。なにはともあれ、フィギュアブームですね。


10月9日

友達が貸してくれた歌舞伎初心者向けの本『はじめての歌舞伎 演目ガイド80』をぱらぱらとめくっている。写真が多く、それもカラーで載っており、ビジュアル的に充実しているので見ていて楽しい。せっかく一等席を取ったのだがら、存分に楽しんでこなければ。そういえば日記に書き忘れていたかもしれないけど、見に行くのは歌舞伎座の芸術祭十月大歌舞伎の夜の部で、演目は仮名手本忠臣蔵の五段目と六段目、そして梅雨小袖昔八丈髪結新三です。

いつの間にやらルピシアでハーブティーの新作が出ていたらしく、今更ながらに購入。最近カフェインを少し控えようかなと思いまして。アル中とカフェイン中毒、どっちがマシなんでしょうね…(どちらもやめとけ)。購入したのは「スイートドリームス!」と「キケリキー!」。特に気に入ったのはスイートドリームス!の方で、カモミールをベースにジンジャーやドライアップル、さらにフェンネルなどがブレンドされている。フェンネルやジンジャーの香りが好きなので、これはうれしい。今回は25gしか買わなかったけど、次はもっと買いだめしておかないと。「キケリキー!」はレモングラスやペパーミントがブレンドされたさっぱり味。こちらはリフレッシュしたい時や朝にいいかも。

三連休は引きこもったりファッションショーに行ったりJaneで買物したり食べ歩きをしたり、そして勉強もしました。勉強したということがおまけっぽく書かれているのがなんとも(半分事実ですけど)。でもまぁ、気持ち的にはリフレッシュできたかな。


10月11日

大学前の古本屋にふらっと入ったら、ピーター・S・ビーグルの『風のガリアード』(ハヤカワ文庫)が200円で売られていたので購入。この作品は『最後のユニコーン』の次に発表された長編なのだが、間に18年の時が流れている。ビーグルは非常に寡作な作家だ。しかし『心地よく秘密めいた場所』も、『最後のユニコーン』も(私はこの作品がとりわけ好きだ)、どちらも素晴らしい。さて、『風のガリアード』はどんな出来なのだろう。かなり分厚いし、今は他に優先しなければいけない本(つまりは趣味以外の読書)が山積みなのでいつ読めるのかはわからない。余裕のある時のためにこれはとっておくことにしよう。

弥生美術館で開催中の「竹中英太郎と妖しの挿し絵展」へ行く。竹中はプラトン社の雑誌『クララ(苦楽)』の挿し絵を手がけるも、プラトン社の解散により仕事が一切なくなって困り果てていたところ、横溝正史に見出されて『新青年』で仕事をするようになった。江戸川乱歩の「陰獣」で名声を高め、乱歩の他の作品をはじめ夢野久作、横溝正史など多数の挿し絵を手がけた。竹中の仕事が一通り紹介されていたが、眺めてみてやはり乱歩や久作の挿し絵が好きだと思う。彼の作風にある独特のエロティシズムが際立っているように感じた。私は乱歩の挿し絵もかなり気に入ったのだが、竹中自身は夢野久作との仕事を楽しみにしていたらしい。竹中は『新青年』と非常に深い関わりを持ち、この雑誌こそ私の研究テーマからははずれるものの、博文館という視点からいろいろと勉強になった展示だった。

ざっと展示を見回った感想だが、実のところ私は彼の作品よりも、竹中英太郎という人物そのものにより興味を惹かれたような気がする。貧しい家に生まれ若い頃から労働運動に関わり、挿絵画家として活躍するも29歳で筆を折ってしまう(挿絵画家としての活動期間が非常に短かったため、幻の画家とも言われた)。その後は満州へ渡ったり、帰国後は労働運動に関わったりなど、複雑な人生を歩んだ。このように画業からは遠ざかっていたが、1960年代に入り息子の竹中労(竹中労が息子だとは知らなかった)の著作やプロデュースしたレコードのジャケットの装画を手がけるようになった。その作品は鮮やかな色彩が用いられ、過去の挿し絵との印象はかなり異なるものだった。鮮やかながら透明感のある色遣いで、幻想性やグロテスクさが表れている作風だったと思う。私の印象では、初期作品の方によりエロティシズムを感じ、後年の作品ではエロティシズムというよりは透明感がありながらも滲み出るグロテスクさをより強く感じた。後年の作品で一番気に入ったのは、マレーネ・ディートリッヒ来日公演の時のために制作されたポスター(スチール写真と竹中の蝶の絵のコラージュ)。この仕事も、息子竹中労がこの公演をプロデュースしたことで依頼されたらしい。ディートリッヒ本人も作品をいたく気に入り、無断でポスターと絵を持ち帰ったというエピソードがあるそうだ。このポスターの葉書が売店で販売されていたので、何枚か購入。デカダンで耽美な感じが素敵。

なお展示の最後には英太郎の家族アルバムからの写真も展示されており、これも興味深かった。家族や孫、ペットと写っている英太郎。非常にいい笑顔を見せており、反骨に溢れた激動な人生ながらも笑顔が朗らかで、なんだか人柄が忍ばれるようだった。竹中英太郎・竹中労の親子は面白いな。これからもう少し、気を配ってチェックしてみることにしよう。

今回の展示の中心は竹中英太郎ではあるが、2階には竹中以外に活躍していた画家たち、橘小夢、水島爾保布、月岡夕美、内藤良治ら作品が展示されていた。この中で一番好みなのは水島爾保布かな。高校生の頃、谷崎の『人魚の嘆き/魔術師』を読んだのが水島の仕事を知ったきっかけだった。これらの作品を眺めていて、いかにビアズリーの影響が大きかったかということを改めて思い知らされた。そういえば以前古本屋で買った『ビアズリー伝』はまだ積読だ。近いうちに読まないと。夢二美術館では「音楽デザイン手帖」が開催されていたが、こちらはブログ向きのネタかなと思うので簡単な雑記はブログの方にアップする予定。


10月15日

忙しくて狂乱の一週間を過ごしていました。やっと日曜日だ。。今日こそは、今日こそは引きこもり!(根がヒッキーなので一日くらいは引きこもらないとエネルギーが続かない)。そして来週も狂乱の週ですよ、別な意味で。大丈夫なのかなぁ、私。

となにやらそんな生活ではありますが、目の前にニンジンぶらさげた方がよく走れるタイプなので、ぴあをめくっては演劇やライヴをチェックしています。勅使河原三郎が12月に新国立劇場で新作ダンス「ガラスノ牙"Glass Tooth"」を披露するということで、チケを購入予定です。時期的に行けるかどうかとっても微妙だけど、それでもS席で押さえるつもり。これに行けたら「ルミナス」以来だなぁ。えっと、三年ぶり?演劇関係はだいたい「三年ぶり」というのが多いので、自分の中で観劇のブランクがこのくらいなのだと思う。確かに2004年以降はあまり演劇には出かけていなく、ライヴ中心の生活を過ごしていた。そういう意味では今年は前よりはバランスの取れている年だと思う。

あとこれは来年だけど、コーネリアスのツアーにも行きたいなと思っています。この人の場合コンスタントにツアーをやってくれるわけではないので、機会があるうちに行ってみないとという感じだし。その前に新譜を買って聴かないとな。発売は10月25日だそうで、志方あきこさんの2ndアルバム『Raka』と同じ日ですね。『Raka』も楽しみです。

最近LUSHにはまっています。LUSHは一応自然派コスメだと思うのですが(香料等はきつめ。おまけに派手な色合いなのであまりナチュラルには見えない)、お菓子並みにキュートかつキッチュな外見のインパクトアイテムを展開しているイギリスのメーカーです。お店全体がおいしそう。ストレスなのか食生活が悪いのか猛烈に肌が荒れてしまって、さすがにこれはまずい…と思って評判のよいLUSHの生パックを買って使ってみたらすごく効いたので、それ以来我が家にアイテムが増え続けつつあります。泡立たないタイプの洗顔料、あとは生パック、さらにボディークリームはとても気に入ったので常備しておこうかな、と。値段は高めなバスボムも、贅沢して週に一回くらいお風呂に入れてます。調べてみたら自分の行動範囲にも店舗があったので、これからちょくちょく通ってしまいそうです。LUSHのアイテムはそのうちブログで紹介する予定。

 

 

 

 

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