4月2日

ポーランドの作家スタニスワフ・レム死去のニュースを知る。84歳。出会いは、タルコフスキーを通じてのソラリスだった。本棚の中で眠ったままの『完全な真空』を久しぶりに取り出してみる。かなり長い間、寝かせてしまった本だ。今度こそ、読み切ろう。

部屋に引きこもっていると鬱々するので、ふらりと散歩に出かける。ふるほん結構人ミルクホールでおいしいアイスカフェオレを飲んでぼーっとしているうちに、なぜか古本買いモードが発動。そのまま、古書を求めて谷根千を駆け回ることに。以下は戦利品。ブックス&カフェブーザンゴにてアンドレ・マルロー『風狂王国 幻想短編集』(福武文庫)、G.ガルシマ=マルケス『エレンディラ』(ちくま文庫)、ロジェ=カイヨワ『妖精物語からSFへ』(サンリオSF文庫)、ブックオフにて吉野朔実『恋愛的瞬間』全3巻、Karakの『七月の雪』(これはCD)、古書ほうろうにて飯島洋一『光のドラマトゥルギー 20世紀の建築』(青土社)、そして往来堂書店で今月号の装苑を購入。どれもお手頃価格でした。特にブーザンゴの絶版文庫本の充実っぷりが素敵。こういうお店が近所にできてうれしいな。勉強本は特定の本を探すからネットで注文ばかりだけど、趣味の本は予期せぬ出会いを求めて古書店の店頭を漁るのが最近のマイブームです。


4月4日

吉野朔実『恋愛的瞬間』を読了。こ、怖っ!しかも私がこの漫画を怖いと思うのは、思い当たる節なり実感があるからなんだろうなー。あー、やだやだ。詳細は語るまい。

久しぶりに雑誌「pen」を購入。特集は「雑誌のデザイン」。時間がなくてまだしっかり読めていないのだけど、まさにアイディアの宝庫という感じです。伝説の雑誌が綺羅星のようにちりばめられている紙面を眺めていると興奮します。とても面白い特集です。私は本の世界には入り込んでいるけれど、雑誌については全然詳しくないのでこれを機会にアート関係の雑誌に対する知識を深めたいと思います。


4月5日

書店を覗いてみたらJ・G・バラードの『終着の浜辺』(創元SF文庫)があったので購入。これ去年の10月に出版されていたのですね。全然気づいていなかった…。最近SF関係の本の復刊が盛んで喜ばしいことです。バラードの描く世界は、私の求めていた終末の風景そのものなのだ。終末、もしくは日常の心象風景というべきか。

維新派の「ナツノトビラ」のプレオーダーにエントリーしました。どうぞ当選しますように。チケが取れたら、大阪へ遠征します。といっても今回の会場は梅田芸術劇場ですが。私が野外劇場で維新派を見れる日はいつか来るのかなあ。最近、微妙に演劇熱が復活しているようです。ルパージュの公演にもエントリーをしたし、あと今月は少年王者舘の「アジサイ光線」を観にいきます。楽しみ。

今日も、ずっとPlastic Treeの「理科室」。「にじんで、にじんで、キラめいて見えるんだ。不安で、不安で、考えるのも嫌だ。」私の感情は、集約すればきっとこれなんだろうと思う。毎日しんどいな。元気なフリを演じるために無駄なエネルギーを使って余計消耗して疲れているなんて、本末転倒じゃない?


4月6日

えーと。えーと。本日、e+よりプレオーダー抽選の結果が来ました。「フィギュアスケートジャパンオープン2006」に行くこと決定です!誰だよ、テナーとかぶっているから今回は行かないって言ってた人は。。口ではこう言いつつ、ヤグブーム&フィギュアブームが高まってこっそりエントリーしてたんですね、はい。はずれるかなあと思ってあまり期待していなかったのですが、結局チケが取れてしまったのでこちらに行こうと思います。テナーはうん、きっと追加公演をやってくれるさ。ていうかお願い、やってちょうだい…。

さてチケを手に入れたのはいいのですが、実は一番安い席なのできっとスケーターは豆粒くらいの大きさにしか見えないだろうなと思います。安いといっても、6000円なんですけど。なんせ今回の価格は「SS-19000円 S-14000円 A-10000円 B-8000円 C-6000円」なのです。高過ぎ!オペラグラス持参でもあまり見えないかもしれないけど、なんにせよ生は初めてなので楽しみです。

今回のイベントは、プロアマ混成による日本・北米・欧州の3地域対抗団体戦で、出演者は日本が高橋大輔・安藤美姫・本田武史・浅田真央、北米がJ.ロシェット・ K.マイズナー ・J.バトル ・E.サンデュ、欧州がS.メイヤー・K.コルピ・A.ヤグディン ・B.ジュベール、エキシビションが荒川静香です。試合形式なわけですが、実のところヤグのことが心配だったり。腰痛めているのに、新採点方式なのに。大丈夫なんだろうか。そもそも実際にこのメンバーが来るかもわからないし、当日までやきもきと過ごすことになりそうです。


4月7日

疲労困憊中。最近疲れると頭痛がひどくなるのが悩みです。慢性的にいつも体調が悪くて、疲れやすくて、すぐに寝込んで、本当に不健康だなと思います。どうにかしたいのだけれど、どうしたらいいのかわからない。そして来週は殺人的に忙しい。もう一体どうしたらいいのやら。

シオドア・スタージョンの短編集『時間のかかる彫刻』(創元SF文庫)を購入。最近ストレスが溜まっているのか本をよく買うのだけど、時間がなくて読めなくて確実に積読が増えています。このままではいけない…。この本を読むのはまだ先になりそうだけど、解説をぱらぱらめくっていたら面白い記述が目に飛び込んできました。生涯で5回結婚をし、7人の子供をもうけたスタージョン。「運命の女性とめぐりあい、「あなたって天才。すごいわ。もっと書いて!」とねだられると、堰を切ったようにがんがん傑作を書きはじめるーというのはスタージョンの作家歴に特徴的なパターン。ある意味、非常にわかりやすい性格だ。」うーん、なんか笑える。個人的には、ヒィーゴー/ネビュラ賞を受賞した「時間のかかる彫刻」を読むのが楽しみです。最近、私のなかでSFブームかも。創元SF文庫をよく買っている気がします。


4月8日

国立科学博物館で開催中の「ナスカ展」と東京都美術館「プラド美術館展」へ出かける。以下とりとめのない印象、覚え書き。

ナスカ展。ナスカ人の頭部へのこだわり。頭を神聖なものと見なし、頭骸骨を変形させたり、戦の時に敵の頭を切り落として首級(トロフィー)にした。/織物の美しさ。乾燥地帯なためか、驚くほど色が鮮やかに残っている。/ナスカ人の自然観、宗教観。神々。空(コンドル)、大地、海(シャチ)。/地上絵について。マリア・ライヘの名前が出てきて、久しぶりに楠田枝里子の本『ナスカ砂の王国―地上絵の謎を追ったマリア・ライヘの生涯』を読み直そうかと思う。ライヘの説いた地上絵=暦説は現在は概ね否定され、雨乞いの儀式をするために用いたというのが主流の説になっているらしい。だが地上絵の歴史的価値を見いだし、保存と研究に生涯を尽くしたライヘの功績は素晴らしい。

プラド展。エル・グレコの宗教画。リベーラもなかなかいい。ムリーリョの描く乙女の顔がとてもきれい。ティツィアーノの描く肉々しい肉体はどちらかというと苦手。ロココ時代の絵画にもあまり惹かれない。基本的にマニエリスム、バロックの人間なので。ゴヤの「魔女の飛翔」が見れてうれしかったけど、こんなに小さな絵だったとは。全体として見ると巨匠たち…というわりにはなんとなく物足りなさを感じるのはなんでだろう。量はそれなりにあったはずだが。好みの問題?絵画から浮かび上がるスペイン史や君主たちの方に興味を持った展覧会だったかも。久しぶりに世界史でも勉強してみるか。


4月11日

装苑の薔薇特集を読んだせいか自分の中に薔薇ブームが来て、中井英夫の『薔薇への供物』を持ち出してきて再読する。「火星植物園」「薔薇の夜を旅するとき」「薔薇の獄―もしくは鳥の匂いのする少年」。あと今日はロクシタンで薔薇の石鹸を買ってきました。影響されやすい人だな…。


4月12日

エマが終わってしまった。あとは単行本化を待つのみ、か。エマらしい終わり方だったと思います。正直に言えば、もう少し続けてストーリーを描き込んでほしかったという気持ちはあるけれど。

今週はとてもとても忙しいです。死にそう。本当は14日のプラに行っている場合ではないのだけれど、激戦区横浜のチケを必死で入手した以上蹴るのは避けたいところです。プラのことが大好きです。応援していて、たまにつらい時もあるけれど。文句も言うけれど。実は、今日になってPIERROT解散のことを知りました。PIERROTはファンではなかったので全く状況がわからないのですが、解散ライヴもせずに解散ということ?………なんというか、言葉もありません。こんな形でPIERROTを終わらせてしまうの?プラとPIERROTは以前同じ事務所に所属していたし、またファン層も結構かぶっているようです(私自身はプラオンリーでしたが)。ファンではなかったとはいえ、やっぱりショックだなあ。とてつもなくショックだ。こういう形で、こんなに人気のあるバンドの歴史が終焉してしまうというのが。頭の中がぐるぐるしていて、とても混乱しています。プラは紆余曲折はあったにせよバンド内の結束は固いし、またファンに対しては常に誠実であったと思います(決してPIERROTが誠実ではないと言いたいわけではありません、念のため)。だから私はこの人たちについて行こうと思ったし、今も追いかけ続けているのです。大ヒットがあるわけではないけれど、実力派バンドとして着実に足下を固めて進み続けてきたPlastic Tree。 私はこのバンドが大好きなのです。


4月13日

近日中にアメリカへ帰ってしまう友達を送る飲み会。こんなにダメージを受けるとは、悲しむとは。心がからっぽかも。本当に寂しくて、そして悲しい一日でした。また会えるよね。会えるといいのだけれど。今までどうもありがとう。

PIERROTの件について予想以に打撃を受けている自分にびっくりです。全然ピエラーじゃなかったのになあ。それだけ、PIERROTがヴィジュアル系における重要な位置を占めていたということなのか。なんかもう、落ち込むことが多い毎日です。


4月14日

というわけで昨日は飲み会でした。上の日記を書いたことすら覚えていないほど酔っぱらってました(笑)。いつの間にアップしていたんだ、私。起きてみて自分でもびっくり。飲み会は楽しく、とても名残惜しい夜でした。

それにしても風邪気味だし二日酔いだし、かなりボロボロです。体調悪いと人間ろくなことを考えませんね。………不満とか愚痴とか苛立ちが澱のようにたまっているのだけれど、これを一体どこにぶつければいいのだろう。あーはいはい、私は存在価値のない人間ね。出てけばいいんでしょ。他に行く場所があれば出ていきたいよ、こんなところから。

 

 

 

 

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