OLYMPUS PEN-FT

PEN-FTの作例はこちらから(準備中)

銀塩写真を始めようと決心した時、どのカメラを買おうか迷った末に最初にこのペンを買いました。スペックや性能のことを考慮した結果ではなく、私の好きな沼田元氣さんや緒川たまきさんがペンFTユーザーだという、非常にミーハーな理由でした。「このカメラってハーフカメラらしい、ハーフカメラって何だろう、でもいいや買っちゃえ」と、今から考えると無知も甚だしい状態でした。

ハーフカメラというのは1960〜70年頃に流行ったカメラです。35mm画面寸法で言うと、フルサイズは24×36mmなのに対しハーフサイズは18×24mm。つまりフルサイズだと1ショットのところ、ハーフカメラでは2ショット撮れます。36枚撮りフィルムを装填すると何と72枚も撮れてしまう。72枚も撮るのは難しいので、私は普通は24枚撮りのフィルムを入れています。(そして現像はプリント0円のところへ。安上がり。)ハーフカメラは普通に持つとファインダーが縦位置になります。最初は違和感がありましたが使っているうちに慣れてしまい、それどころかすっかり縦好きになりました。今ではほとんどの写真を縦位置で撮っています。

ペンのデザインは非常に洗練されています。形もそうですが、私が何より好きなのはシャッターを切った時の爽快な音。「カシャーン」、この音がもう気持ちよくて、空押ししているだけでも楽しいほどなのです(部屋でシャッターの空押しをして「気持ちいい〜」と一人にんまりしているところでふと我にかえると、私もカメラオタになったとつくづく思ってしまいます。)レンズが豊富なこともあり私のメイン一眼レフはOM-1なのですが、OM-1のシャッターにはペンのような気持ちよさがなく、私はこれがかなり不満です。シャッターを切る時の楽しみがなくて、それがとても残念。

ペンの欠点としてたびたび挙げられるのは、ファインダーの暗さでしょう。今でこそ慣れましたが、使い始めの頃は被写界深度について分かってなかったこともあり、半分以上の写真がピンボケという悲しい有り様でした。ですがこういうことにもめげず、自分で頑張ってピントを合わせるのは楽しいものです。私は写真はデジタルから入って銀塩へ逆行した人間ですが、買っているカメラはみなマニュアルカメラです。自分でピントを合わせるのは難しいですし、シャッターチャンスを逃すこともしばしばあります。それでもマニュアルカメラが好きです。機械に遊んでもらっているという感じがたまらない。

使っているレンズはカメラ本体についてきた38mm f1.8です(35mm換算だと50mm)。標準レンズとして、一番多く出回っているものだと思います。ペンでは他にも使ってみたいレンズがたくさんあるのですが、どれも高価なのでまだ標準レンズしか持っていません。ペンシリーズのレンズを見かけるたびに、どうしてこんなに高いのとため息をついています。いつか懐に余裕がある時にレンズを買うのが夢です。

ペン用のレンズは高いので、アダプタを使ってOM用レンズをペンで使っています。このアダプタは中古で買いました。もともとこうするつもりで、一眼レフはオリンパスPEN・OMの二本立てに決定しました。右の写真は50mmf1.8の標準レンズをペンに装着した図です。ペンが小ぶりだから、OM-1では違和感のないこのレンズも大きく見えてなんだか不格好。ペンはハーフカメラなので、焦点距離が変わります。焦点距離がのびるので中望遠にはいいのですが、広角レンズは使えません。これは広角好きの私としては寂しい。やはりペンの20mm(35mm換算で28mm)、25mm(35mm換算で35mm)レンズが欲しいです。

PEN-FTに対する評価は高いようですし、私自身もすごく好きなカメラです。PEN-F共々おすすめのカメラです。興味を持たれた方、素晴らしきハーフカメラの世界へぜひぜひ。オリンパスには他にもペンEE、ペンD等そそられるハーフカメラがたくさんあり、私は日々物欲と闘っています。欲しい、でもハーフカメラばかり増やしてもしょうがないし。しかしいつかはハーフカメラ買い漁り地獄に陥りそうで怖いです。そうそう、リコーオートハーフもかわいい。こうして物欲は果てしなく続くのです。